一般社団法人井原青年会議所
理事長所信
1.基本方針
1)会員拡大運動の展開及び実施
2)規律ある愛の溢れる組織運営
3)利他の精神を持った人財育成
4)共鳴生み出すまちづくり
2.事業の概要
1)研修事業の開催
2)会員拡大の実施
3)ロマンチック街道313連絡協議会への参画
4)きめ細かな情報発信
5)市民協働のコミュニティ運動
6)なかよし運動会への参画
7)郷土発展の為に必要な事業
8)その他本会議所の目的達成に必要な事業
3.会議の開催
1)総 会 年 3回(1月、8月、12月)開催
2)理事会 年12回開催
3)例 会 年12回開催
4)会員拡大会議 年12回開催
5)その他の会議 随時
【はじめに】
チームスポーツで用いられる有名な言葉「One for all All for one」 。この言葉の解釈は「一人はみんなのために、みんなは一人のために」ではなく「一人はみんなのために、みんなは一つの目的のために」であり、チームの目的である勝利のために、心を一つにすることが本来の意味です。スポーツにおける目的が勝利であるように、井原青年会議所では、定款第 1 章総則第 3 条にある「地域社会及び国家の発展を図り、会員の連携と会員の指導力の啓発に努めるとともに、国際的理解を深め、世界の繁栄と平和に寄与すること」が目的です。我々はこの目的のもとに集い、すべての活動はそのために行い、その運動をまちに共鳴させていくのです。 「One for all All for one」の志を持ち、井原青年会議所の共鳴を大きく広げてまいりましょう。
井原青年会議所が目的のために運動を最大化していくには、5つの要素が必要です。1つ目は「ビジョンの共有」です。リーダーが明確なビジョンを描き、全員が共有できている状態が必要です。どこに進もうとしているのか、行き先や現在地を共有できていなければ大海原を漂うだけになってしまいます。 2つ目は「メンバーが役割を能動的に取り組む姿勢」です。誰もが井原青年会議所のかけがえのない一人で、それぞれに大事なミッションがあります。メンバー全員が役をやらされるのではなく能動的に挑戦し、活動を楽しんで、自分が井原青年会議所を牽引していくという意識が必要です。3 つ目は「コミュニケーションと信頼関係」です。行き先が決まり、そこに向かう過程で役割に徹するメンバー同士が、精度の高いコミュニケーションを取り、信頼関係が構築できていれば高度な組織運営が可能となります。4 つ目は「愛」です。 「愛」とはただ甘くて優しいだけではありません。時にお互いに厳しいことを伝えないとなりませんし、そのためには自己犠牲も必要となります。厳しいことも苦しいことも嬉しいことも楽しいことも「愛」を持ってお互いを思いやることができればよりよい組織となれます。そして 5つ目は「共鳴」です。この言葉は様々な場面で比喩的に使われますが、音は振動であり、その振動周波数に同調して音波が増幅していき、心を震わせるような美しい音色を響かせることができます。井原青年会議所の運動や活動は我々だけでは行えません。まちの人々と心を通わし、振動を同調させて「共鳴」を生み出し、美しい音色を増幅させていく必要があります。
私が経験してきた青年会議所の活動の中でも、この 5 つが満たされていくとその活動は輝き出して、事業や運動はより大きく、より良いものになることを実感しています。
【規律ある愛の溢れる組織運営】
理念のもとで活動を行い、運動の輪を大きく広げていくためには規律のある組織であることが必要です。規律とは組織の価値観であり、その組織が大切にしている最優先事項のことです。青年会議所では、「JCI Creed」「JCI Mission」「JCI Vision」「JC 宣言」「綱領」や「定款」「運営規定」 、「会員の心構え」さらにはその年の「理事長所信」が組織の価値観であり、所属するメンバーが心がけて行動する規律です。
まずは、常日頃から青年会議所の規律を気にかけ行動してみましょう。それぞれが担っている役割の中で規律を守り徹底していくことで、個性豊かなメンバーが同じ方向を向き、統制の取れた組織として活動の質が格段に上がります。また、ルールや役割の徹底に努めるだけではなく、お互いに想い合って状況や心情を感じ取り、時間を使い寄り添い、無償の愛を持って活動しましょう。誰かが足踏みをしていたら歩み寄り、ともに前進しましょう。厳しい規律や言葉の中に愛を持ち、次の代へと義理人情を持ってそれを繋げていくことは青年会議所活動の醍醐味であり、だからこそ価値を持ち続けているのです。規律があり愛が溢れた組織として醸成されると、まるで畑の土壌が肥えて、作物や花々が元気に沢山実り、咲き乱れるように、我々の活動や事業はさらに彩り鮮やかにおもしろい運動になります。組織の土壌は一人一人の意識で変わります。ともに規律ある愛の溢れる井原青年会議所にしてまいりましょう。
【利他の精神を持った人財育成】
我々が日々活動しているのは承認欲求を満たすためではなく、自分たちの金銭的利益のためだけでもなく、定款に定めた目的のためです。仏教用語で「自利利他」という言葉があります。周りが幸せに満ちていくと、結果的に自分自身も幸せに満ち足りていくという意味で、青年会議所活動において必要な志です。
目的や大義に尽くす奉仕の中でそれぞれの修練があり、挑戦することで自己成長でき、活動に本気で向き合うからこそ、ともに歩む仲間との友情が生まれます。誰かの笑顔や幸せのために生きることで、結果的に自己成長や人脈などを手に入れることができます。これは青年会議所での「修練」「奉仕」「友情」の三信条のことです。そして、立場や能力に関係なく、利他の精神を持ち大義のために忠義を尽す、自らを律して挑戦し、謙虚な姿勢で研鑽に励み合う姿こそが、青年会議所のメンバー「JAYCEE」として大切な資質であり持つべき誇りです。
まずは、まちの未来を担う子供たちやまちのひと、メンバーのことを第一に考え、利他の精神をもって事業を行い、ひとづくりの運動を続けましょう。ひとはある日突然進化するわけではありません。能力も器の大きさもそれぞれです。しかし、誰もがいつでも進歩し変われることはできます。大切なことは、無償の愛を持つことです。誰かを幸せな気持ちにしたいと思うこと、その場を幸せな場所にしたいと思うこと、ともに過ごす時間を幸せに満ち足りたものにしたいと思うこと、利他の精神を持って生きることです。
【共鳴生み出すまちづくり】
どんなまちにも問題があり課題があります。我々のまちでも行政が総合戦略を作成し、問題解決に向けて中長期的に課題に取り組んでいます。課題が浮き彫りとなり、それに対して目的や目標が定められ、行政機関や民間団体、経済団体が郷土発展のために事業を行い、絶え間なく運動を続けている中で、青年会議所がすべきことはなんでしょうか。それは、他団体では取り組むことの難しい役割を率先して担い、どの方向にも中立な組織である青年会議所だからこそ創れる唯一無二の運動を起こし、それを共鳴させ広げていくことです。このまちで長くまちづくりに挑戦し続けている井原青年会議所だからこそ、美しい共鳴の連鎖を生み出すことができるのです。
まずは、まちに今何が必要なのかを客観的データから見極めましょう。さらに事業構築の段階で様々な団体各所と情報交換を行い、手を取り合いながら心をときめかせて事業を創りましょう。地域資源を最大に活かした事業や、市民の郷土愛を育める事業など継続的な郷土発展運動のきっかけとなる事業を行うことで、まちとひとが共鳴し郷土への愛と誇りが醸成される、真におもしろい、誰もが心を震わす美しい共鳴を生み出してまいりましょう。
【会員拡大と広報活動】
青年会議所のブランドとは、規律や研鑽、目的、また日本中、世界中の横の繋がりです。井原青年会議所のブランドはそれらに加えて、歴史や理事長の計画、そして事業や個性豊かな所属メンバーです。その本質から逸れてしまっていてはブランド力の向上とは言えません。会員の拡大のためには我々が井原青年会議所という誇りを持ち、その活動を大いに楽しみ、その姿を発信して、共鳴の輪を広げていく必要があります。
まずは、井原青年会議所のブランド意識をメンバーで統一しましょう。青年会議所の大きな力と、井原青年会議所の歩みに誇りを持ち、前述した3つの柱、「規律ある愛の溢れる組織運営」 「利他の精神を持った人財育成」「共鳴生み出すまちづくり」に全員で一丸となり取り組み、井原青年会議所をさらなる高みへ押し上げましょう。
次に、あらゆる手段を使ってその姿を市民の皆様に、広く知っていただきましょう。広報活動は外部との連携や関係維持に大切な運動です。活動や過程のすべては素晴らしい素材となります。委員会や理事会での様子、事業の目的や構築の状況、事業当日の景色、一生懸命なメンバーの姿、すべての出来事に意味があり感動があります。一つ一つ丁寧に発信してまいりましょう。
そして、すべてが輝きだしたとき、それに共鳴する同志は必然的に集まり、井原青年会議所の存在感はより大きくなります。会員拡大はあらゆる活動の結果です。会員拡大の運動を継続する中で、所属しているメンバーが「JAYCEE」として誇りを持ち、井原青年会議所を愛し、生き生きと活動してい姿こそが、何よりのブランド力であり、フォロワーや会員の拡大につながる大きな力なのです。
【おわりに】
愛する人々が住み暮らすまちのより良い未来は、他の誰でもなく自分自身が創っていくのです。そのための手段や学びの場として、青年会議所での活動は絶好の機会となります。一人一人が経験したことのない一歩に挑戦し、自分のためだけではなくひとのため、大義のために生きることで、結果的に自己成長に繋がります。そしてその活動に真剣に向き合うからこそ支え合える仲間ができ、大きな財産となるのです。
井原青年会議所は地域市民や行政、経済団体、民間団体とともに62年という長い間、まちづくりに寄与してまいりました。高い志と情熱を持った若者が集い、挑戦と研鑽を続ける中でまちに多くのインパクトと共鳴を残し、在籍していた先輩諸兄姉は今も多方面でご活躍されています。井原青年会議所の歴史は、その時々に在籍していたメンバーが夢見た未来への希望や歩みと時間、すなわち命そのものです。その未来の中で今、先代への敬意と感謝を胸に活動に邁進し、次世代が挑戦する絶好の機会である井原青年会議所を、我々で創造してまいりましょう。
利他の精神を持ち大義のために忠義を尽す、自らを律し挑戦し、研鑽に励む若者たち「JAYCEE」が集う組織、井原青年会議所。「One for all All for one」の志を持ち、美しい共鳴を起こしましょう。